もし、いま手元に使っていない不動産があったとしたら――賃貸に出すべきか、それとも売却すべきか。これは沖縄でも多くの方が直面する悩みのひとつです。実際、どちらの選択肢にもメリットとリスクがあり、「とりあえず残しておこう」と先送りしてしまう方も少なくありません。

しかし、不動産は“持ち続けること自体”にもコストがかかります。固定資産税、維持管理費、空室リスク…。今回は「どちらが自分に合っているか？」を見極めるための基本的な判断基準についてお伝えします。

収益性で見る！賃貸と売却の比較

まず考えるべきは、将来的な“収益性”です。沖縄県内の住宅系物件の賃料相場は、那覇市内で月8万〜10万円程度。例えば、年間で100万円前後の収入が見込めるとしても、管理費や修繕費、空室リスクを差し引くと、手取りはその6〜7割になることもあります。

一方で、売却を選べば一括でまとまった資金が手に入ります。那覇市や浦添市などの人気エリアでは、2025年時点で中古マンションの売却相場が1,500〜3,000万円の物件もあります。これが現金化できるなら、住宅ローン返済や次の投資にも活用できます。

ライフプランと照らし合わせて考える

賃貸か売却かを決める上で重要なのが、ご自身やご家族のライフプランです。

たとえば…

• 将来的に子どもが戻って住む予定がある
• 相続で受け取ったが、管理が難しい
• 今は住まないが、将来沖縄に戻るかもしれない

このようなケースでは、あえて賃貸にして“持ち続ける”選択肢も有効です。ただし、家賃収入を得るためには建物の老朽化や設備更新といった管理負担が発生することも忘れてはいけません。

節税や補助金の観点からの判断も必要

意外と見落とされがちなのが、節税や補助金の制度です。特に「空き家特例」など、譲渡所得税が軽減されるケースがあります。売却タイミングを調整するだけで、納税額が数百万円単位で変わることもあります。

また、一定の条件を満たせば、家屋の解体費用や耐震改修費の補助金が使えることもあり、賃貸に出す前提ならこれらを活用して初期費用を抑える工夫も可能です。

自分では判断が難しいときは

「不動産の売買や賃貸なんて初めてで、何を基準に決めれば良いのかわからない」という方も多いと思います。実際、地域ごとの地価や賃料相場、空室率などは、毎年変動しています。

そういった場合は、沖縄県内の市場に詳しい不動産会社に相談するのが近道です。客観的なデータと経験に基づいて、収益シミュレーションや売却価格の相場を算出し、あなたに合った最適なプランを提案してくれます。

未来を見据えた判断が資産価値を守る

「今売るべきか、貸すべきか」という悩みには、正解は1つではありません。ですが、「将来どうしたいか？」という視点をもとに考えることで、失敗のリスクはグッと減ります。

市場の動き、家族の事情、資金の必要性――これらを総合的に見ながら、ベストな選択をしましょう。不動産は“放置”がいちばん損する選択です。

売買・賃貸いずれも、沖縄での不動産活用は専門的な視点がカギになります。悩まれている方は、まずはお気軽にご相談ください。きっと次の一歩が見えてくるはずです。