「相続した土地、丸ごと売るのはもったいないかも…」

そう感じた方に知ってほしいのが、「分筆（ぶんぴつ）」という方法です。特に沖縄では土地の広さや形状が独特なため、このテクニックが効果的な場面も少なくありません。

売却と税金。このふたつをどううまく付き合うかは、将来の資産設計にも関わる重要なテーマです。

分筆とは？基本を知っておこう

「分筆」とは、ひとつの土地を法的に複数の区画に分けることを指します。たとえば、100坪の土地を50坪ずつ2つに分けるなど、登記上で明確に分けておくことで、それぞれ独立した不動産として扱えるようになります。

分けることでどうなるのか？

それは、「税金の計算方法」が変わってくるのです。

なぜ節税につながるのか

土地を分筆してから売却することで、次のような効果が期待できます。

・譲渡所得税の軽減

売却益が分散されることで、課税対象額が下がるケースがあります。特に複数年に分けて売却する場合は、1年あたりの利益が抑えられ、税率も低くなる可能性があります。

・相続税評価額の見直し

相続時点で分筆しておくことで、評価額を抑えられる場合もあります。たとえば、形がいびつな土地や接道条件の悪い土地などは、分筆することで評価額が下がるケースがあります。

・土地全体の価値を高められる

用途に応じて分ければ、売却しやすくなります。たとえば、住宅用地と店舗用地に分けるなど、ニーズに合った分け方ができれば、結果的に全体として高値で売却できることも。

沖縄で分筆が向いている土地の特徴

沖縄では、先祖代々受け継がれてきた「広いが使いにくい土地」が多く存在しています。たとえば、

・接道が複数ある角地

・畑や原野として使われていた広大な土地

・一部に建物が建っていて使いにくい土地

こうした土地を活かすには、「どう売るか」ではなく「どう分けるか」を先に考えることが大切です。

注意点：分筆にもコストと手間がある

ただし、分筆は“魔法の節税術”ではありません。次の点には注意が必要です。

・測量費や登記費用がかかる

一般的に10万円〜数十万円ほど。特に境界確定が難しい場所では費用が高くなることもあります。

・分筆できない土地もある

法令や地域の都市計画によっては、希望通りに分けられないこともあります。

・短期間で売却しないと効果が薄いことも

節税を目的にしても、売れなければ意味がありません。あくまで市場ニーズとのバランスも重要です。

分けて活かす、不動産の新たな選択肢

不動産は「持っているだけ」で安心とは限りません。特に相続後の土地は、どう使うか、どう売るかによって将来の負担や税金の額が大きく変わってきます。

沖縄の土地は、形状や広さに特徴があり、それゆえに“分筆”というテクニックがより活きやすい環境でもあります。

売却＝全部売る、という固定観念を一度外してみることで、新しい選択肢が見えてくるはずです。

「不動産を売る前に、分けるという発想もある」

そんな視点を持つことが、後悔しない売却への第一歩になります。

分筆を前提とした売却相談も、当社では多数承っております。気になる方は、お気軽にご相談ください。未来の資産を守るためのご提案をさせていただきます。