空き家をどうにかしたい…。

そう思いながらも手続きや費用が不安で、動き出せない方は多いのではないでしょうか？

実は、行政が運営する「空き家バンク」をうまく活用することで、思っていた以上にスムーズに売却できるケースがあります。

今回は、沖縄で実際に空き家バンクを通して売却された事例を交えながら、その活用法と注意点、そして活用することで見える未来についてお伝えします。

空き家バンクとは？沖縄でも活用が進む制度

空き家バンクとは、空き家を「売りたい人」と「買いたい人」とをつなぐマッチング制度です。主に市町村が運営しており、民間の不動産会社とは異なり、地域活性化や定住促進を目的としている点が特徴です。

沖縄県内でも多くの市町村が空き家バンクを運営しており、2024年時点で20以上の自治体が制度を導入しています。特に本島中部や北部では、移住希望者やテレワーク向けの物件を探す人が増えており、需要が高まっています。

活用ステップと費用感

空き家バンクを活用するためには、以下のステップがあります。

1. 自治体の空き家バンクに登録
2. 現地調査・掲載許可
3. 購入希望者とのマッチング
4. 売買契約（仲介に不動産会社が入る場合あり）

なお、登録料や掲載料は無料のところが多いですが、売却が決まった場合は、仲介会社を通す形であれば仲介手数料がかかることもあります。仲介手数料の上限は「売却価格の3％＋6万円＋消費税」です。

実際に売却できた沖縄での事例

沖縄本島北部のある地域で、築40年を超える平屋住宅を所有していた方が空き家バンクに登録。水回りの傷みがあり、一般市場ではなかなか買い手がつかない状態でしたが、「古民家再生」や「移住用物件」を希望する買い手からの問い合わせがあり、約4ヶ月で売却に成功。

売却価格は約350万円。登録者側は当初「どうせ売れない」と諦めかけていましたが、結果的に税金や管理費の負担からも解放され、「肩の荷が下りた」と話していました。

空き家バンクのメリット・デメリット

【メリット】

・登録費用が無料のケースが多い

・地域密着のニーズに合った買い手と出会える

・空き家問題の解決につながる

【デメリット】

・物件によってはすぐに買い手が見つからない

・交渉や契約は自治体ではなく不動産会社が対応するため、手間がかかる場合がある

・リフォームが必要な場合、自費負担になることも

活用前に知っておきたいポイント

・事前に建物の状態をチェックし、最低限の清掃や修繕をしておくと印象が良くなります

・売却を急ぐ場合は、空き家バンクと同時に不動産会社への依頼も検討すると◎

・相続登記が済んでいないと売却できないので、名義人の確認は早めに行いましょう

市場を見て感じること

沖縄では空き家の増加が社会課題となっており、2023年度の調査では空き家率が12.8％を超えています。特に管理されていない空き家は、防災や衛生面でも問題視されやすく、地域からの苦情や行政指導が入ることも。

だからこそ、空き家を「売れるうちに売る」という選択が重要です。売却は決して後ろ向きなものではなく、新しい世代にバトンを渡す行為だと私は思います。

空き家バンクで見える未来

空き家を抱えたままの生活から一歩抜け出すことで、精神的・経済的にも大きな安心が得られます。空き家バンクはその第一歩として非常に有効な手段です。

沖縄で空き家を持て余しているなら、まずは自治体のホームページをのぞいてみるところから始めてみませんか？

きっかけひとつで、あなたの不動産が価値ある資産へと生まれ変わるかもしれません。