沖縄には築30年以上の味わい深い物件が多数残っています。家賃相場も比較的安く「趣がある部屋」に惹かれる方も多いでしょう。しかし、古い物件ならではの落とし穴を知らないと、思わぬトラブルや予算オーバーにつながることも。今回は、築30年超の賃貸物件を選ぶときに押さえておきたい４つの注意点を解説します。

１．耐震・構造の安全性を確認する

沖縄は地震リスクが低いとされますが、昭和期の建築基準で建てられた物件は耐震性能が現行基準に満たない場合があります。国土交通省の「新耐震基準」施行は1981年。築30年超では以下をチェックしましょう。

• 建築年：1981年以降かどうか
• 構造：鉄筋コンクリート造（RC）、鉄骨造（S）など耐震性の高い構造か
• 耐震診断報告：管理組合や大家が耐震診断を実施しているか

安全性を確かめずに入居すると、万一の際に大きなリスクを抱えることになります。可能であれば管理会社に「耐震診断結果」を確認しましょう。

２．設備の老朽化と交換履歴をチェック

築浅物件に比べ、給湯器、エアコン、配管、水まわり設備などは劣化が進みやすいです。沖縄県住宅供給公社のデータでは、築20年以上の物件の半数以上で過去5年に何らかの設備トラブルが発生しています。内見時に確認したい点は次の通りです。

• 設備の設置年：給湯器・エアコンのメーカー製造年
• 交換履歴：配管や水栓、換気扇など大がかりな交換があったか
• 使用状況：水圧や給湯の出がスムーズか、浴室・キッチンを試運転

設備が古いと、入居後すぐに修理費用がかさむ可能性があります。交換履歴が不明な場合は、契約前に「保証や修繕負担」を明確にしておくことが安心です。

３．断熱・防湿性能の劣化に注意

沖縄は高温多湿な気候のため、古い建物は断熱や防湿シートの劣化から、カビ・腐食・シロアリ被害が発生しやすくなります。沖縄県衛生環境研究所の報告では、築30年以上の住宅でカビ発生率が築10年以下の約2倍というデータもあります。内見時には以下をチェックしましょう。

• 床下・天井裏の通気口：湿気がこもっていないか
• 壁や押入れ内のにおい：カビ臭やシロアリ被害の有無
• サッシまわりのパッキン：隙間や結露が発生していないか

必要なら、防湿シートの張替えや断熱材追加をオプションとして相談すると、長期入居後のトラブルを減らせます。

４．管理状況と共用部のメンテナンス頻度

築古物件ほど、大家や管理会社の管理体制の質が住み心地に直結します。共用部や外壁の劣化が放置されていると、建物全体の寿命を縮める原因に。確認ポイントは以下です。

• 外壁・屋根の補修履歴：ひび割れ補修や防水工事の有無
• 共用廊下・階段の清掃頻度：落ち葉やゴミが長期間放置されていないか
• 排水設備の点検状況：雨樋やグレーチングの詰まり対策

管理が行き届いている物件は、築年数を感じさせず快適に暮らせます。管理状況を事前に確認し、可能であれば管理規約や修繕計画もチェックしましょう。

市場に対する意見：古さを味わいつつ、安全性と快適性を重視

築古物件には、独特の趣や広さを手頃な家賃で手に入れられる魅力があります。しかし、安全性・設備・防湿性・管理体制に不安があるままだと、結局コストや精神的負担が増すことに。私自身、数多くのご相談で「築年数にとらわれず、管理状況と設備履歴を重視する人ほど長く安心して暮らせている」と感じています。

未来の安心を手に入れるために

築30年超の物件を魅力的に感じたら、今回紹介した４つの注意点をメモし、内見時と契約前に必ず確認してください。安全性と快適性をクリアした古民家やレトロ物件なら、家賃を抑えつつ、オンリーワンの沖縄ライフを楽しむことができます。ぜひチェックしてみてください！