不動産を売ることは、人生の中でも大きな決断です。

特に沖縄のように地価がエリアごとに大きく異なり、相続・空き家問題が増えている地域では、「売る前の準備」が売却の成功・失敗を大きく左右します。

今回は、「これを知らずに売却を進めると損をする可能性がある」

そんな“売る前に必ずやるべきこと”を、5つに絞ってわかりやすく解説します。

最終的には、納得できる価格とスムーズな手続きで売買を進めるために、ぜひ参考にしてください。

1. 不動産の「権利関係」を確認する

沖縄では、相続登記が未了のまま放置された土地や建物が多く存在します。

この状態では売買契約ができません。

まず確認したいのは以下の3点です。

• 所有者が誰か明確か（登記簿謄本で確認）
• 抵当権や差押えなどの権利が残っていないか
• 相続登記が必要な場合は手続きを完了しているか

手続きが進まない物件の多くは、「登記が整理されていない」ことが原因です。

売りたいと思った時点で、まずは登記情報を見直すことが重要です。

2. 近隣の売却事例や相場を調べておく

「なんとなくこのくらいの価格かな？」と感覚で価格を決めてしまうと、

高すぎて買い手がつかず、結果的に値下げ…という流れになりがちです。

国土交通省の「不動産取引価格情報」やレインズ（REINS）などを使えば、

直近の成約価格や地域の相場感がつかめます。

沖縄では地域によって差が大きく、

那覇市内では坪単価100万円を超える場所もあれば、

郊外ではその1/3以下になることもあります。

相場を知らずに売るのは、情報のない状態で交渉に臨むのと同じです。

3. 必要書類を早めに集めておく

売却に必要な書類は意外と多く、準備に時間がかかることがあります。

とくに以下のような書類は事前に確認しておきましょう。

• 登記簿謄本
• 固定資産税納税通知書
• 建築確認済証・検査済証
• 境界確定図（できれば）

特に境界確定図がないことで買主からの不信感が生まれるケースもあり、

結果として売却価格が下がる要因になることもあります。

4. リフォーム・修繕は“やりすぎ注意”

「古いからリフォームしないと売れない」と思い込んで、大規模な修繕をする方がいます。

ですが、リフォーム費用をかけた分だけ高く売れるとは限りません。

沖縄では“そのままの状態で購入して自分で手を入れたい”という買主も一定数おり、

むしろ売主のリフォームが好みに合わず、購入意欲が下がるケースも見られます。

どうしても気になる箇所がある場合は、

「最低限の清掃」や「シロアリ・雨漏りの確認」など、

状態把握と安心材料を整えることに集中するのがおすすめです。

5. 不動産会社の選定は「比較が命」

売却をスムーズに進めるためには、信頼できる不動産会社選びが欠かせません。

1社だけで決めてしまうと、営業トークに流されたり、相場より安く売られる可能性があります。

ポイントは以下の通りです。

• 売却実績が豊富か（特に沖縄エリア）
• 説明が丁寧でわかりやすいか
• 「高く売れる理由」を具体的に説明してくれるか

特に沖縄では、地元の事情や買主の動向に詳しい会社を選ぶことが結果を左右します。

まとめ：知識と準備が“後悔しない売却”を生む

不動産売却は、情報が多い人ほど有利です。

登記、相場、書類、物件状態、仲介会社…。

やるべきことを事前に把握しておけば、

「時間をムダにしない」「納得いく価格で売れる」「トラブルを防げる」

といった多くのメリットが得られます。

私自身、市場の現場で多くの売主さんを見てきましたが、

「売る前にどれだけ準備していたか」こそが、売却の成否を分けていると実感しています。

未来の後悔を防ぐためにも、まずは今回紹介した5つを“売る前のチェックリスト”として活用してみてください。

この小さな準備が、きっと大きな安心と成果につながるはずです。