沖縄で賃貸アパートに住んでみて、最も多い悩みのひとつが「音」に関するトラブルです。「隣のテレビの音が聞こえる」「子どもの足音が下に響いて気を遣う」など、実際に住んでから気づくことも多いのが“壁の薄さ”問題です。

今回は、沖縄特有の建物構造や生活スタイルも踏まえたうえで、防音事情のリアルとその対策についてわかりやすく解説します。

沖縄のアパート構造に潜む“音”の落とし穴

沖縄のアパートは、鉄筋コンクリート（RC造）が主流です。これは台風や塩害対策として非常に理にかなった構造ですが、「RC造だから防音もバッチリ！」と安心してはいけません。

実は、防音性に影響するのは構造だけでなく、壁の厚さ・仕上げ・間取りの設計にも大きく左右されるのです。

• 築20年以上のアパートでは、壁がコンクリート打ちっぱなしでなく、軽量ボードで仕切られているだけのケースもあります。

• 玄関扉の隙間や換気口から音が漏れることもあり、廊下の声が部屋の中まで響く原因に。

よくある“音のトラブル”例

以下は、実際に沖縄のアパートで起こりやすい音に関する問題です。

• 隣の部屋の目覚ましアラームが聞こえる
• 深夜のシャワー音や洗濯機の振動が響く
• 子どもの走る音や飛び跳ねる音が階下に伝わる
• 隣室の会話内容がはっきり聞こえる

こうした音のストレスは、毎日の生活に少しずつ積み重なり、引っ越しやクレームにつながるケースも少なくありません。

入居前にできる“防音チェック”

物件選びの段階で、防音性をある程度見極めることは可能です。以下の点を確認しておくことがポイントです。

壁を軽くノックしてみる

コンコンと響く場合は薄いボード、ゴツゴツと鈍い音ならコンクリートの可能性大。

日中・夕方の2回内見する

住人の生活音が聞こえる時間帯に確認することで、実際の騒音レベルがつかめます。

隣との間取りを確認

寝室同士が隣接していない物件や、角部屋・最上階などは比較的静かな傾向があります。

近隣世帯の構成を聞く

子どもが多いファミリー世帯が上下左右に入っているかどうかを、不動産会社に聞いてみましょう。

入居後にできる防音対策

どうしても気になる音には、次のような工夫で対策することができます。

• 防音カーテンや防音シートの設置
• ラグやカーペットで床への音を和らげる
• 家具の配置で音の反響を抑える（本棚を壁に立てかけるなど）
• 子どもの足音対策に、ジョイントマットを活用

音の問題こそ“住み心地”に直結する

防音性能の高さは、物件資料や内見だけでは完全には分からない部分です。しかし、住んでから最もトラブルになりやすいのがこの「音」です。

私たちとしては、壁の構造・住人構成・立地環境などを含めて、お客様の生活リズムに合った物件をご案内することが最も大切だと考えています。

特に小さなお子さんがいる家庭では、周囲に気を遣うストレスが大きいため、最初から防音性の高い環境を選ぶことが、家族全員の安心感にもつながります。

防音性を甘く見ると後悔するかも

「家賃が安い」「見た目がキレイ」だけでは分からないのが、防音性の落とし穴。沖縄のアパート事情では、防音性が確保されていない物件もまだまだ多くあります。

これから物件を探す方は、“音”のストレスも生活コストの一部と捉えて、しっかり確認したうえで納得のいく住まいを選びましょう。静かな暮らしは、心にも余裕をもたらしてくれるはずです。